同時履行の抗弁権と危険負担

双務契約の同時履行の抗弁権と、引渡し前後で危険が移転する危険負担のルールを整理します。

売買のような双務契約では、当事者双方が義務を負います。同時履行の抗弁権と、引渡し前に物が滅失した場合の危険負担を学びます。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

先生、売買で『代金を先に払え』『いや先に引き渡せ』ってもめたら、どうなるの?

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

そこで登場するのが同時履行の抗弁権よ。
相手が履行してくれるまで、自分も履行を拒めるの。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

売買は双方が義務を負う双務契約なので、代金支払いと目的物の引渡しは、原則として同時履行の関係に立ちます。
相手が提供しないのに自分だけ履行を迫られることはありません。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

引渡しの前に、その建物が地震で壊れちゃったら、代金はどうなるんですかぁ?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

それが危険負担の問題ね。
改正民法では、当事者双方に落ち度なく引渡し前に建物が滅失した場合、買主は代金の支払いを拒むことができるの。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

壊れた建物の分まで代金を払わされるのは、おかしいもんね。

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

そう。
買主は反対給付(代金支払い)の履行を拒めるのよ。
もっとも、契約を最終的に清算したいなら解除も選べるわ。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

ただし、引渡し後に当事者双方の責めによらず滅失した場合は、原則として買主が危険を負担し、代金支払いを拒めません。
『引渡し』を境に危険が移転する、と押さえましょう。

星野 ひな(笑顔) 星野 ひな

引渡し前の滅失は代金を拒める、引渡し後は買主負担、って覚えますねぇ。

確認クイズ

同時履行の抗弁権・危険負担に関する説明として正しいものはどれか。

  1. 売買では、買主は常に代金を先に支払わなければならない
  2. 引渡し前に双方の責めによらず目的物が滅失した場合、買主は代金支払いを拒める
  3. 引渡し後に双方の責めによらず滅失しても、買主は代金支払いを拒める
  4. 双務契約では、同時履行の抗弁権は認められない
こたえを見る

正解: 2. 引渡し前に双方の責めによらず目的物が滅失した場合、買主は代金支払いを拒める

引渡し前に双方無責で滅失すれば買主は代金支払いを拒めるのが正解。代金と引渡しは同時履行(選択肢1は誤り)。引渡し後の滅失は原則買主負担(選択肢3は誤り)。双務契約に同時履行の抗弁権は認められる(選択肢4は誤り)。

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