売買と手付

不動産売買の中心となる売買契約と手付。解約手付による解除の要件(履行の着手)を整理します。

不動産取引の中心は売買契約です。契約成立のしくみと、契約時に交付される手付の性質を押さえましょう。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

先生、不動産を買うときに払う『手付』って、頭金とは違うの?

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

違うのよ。手付は契約のときに交付する金銭で、特約がなければ『解約手付』と推定されるの。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

解約手付では、買主は手付を放棄すれば、売主は手付の倍額を現実に提供すれば、契約を解除できます。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

でも、いつまでも解除できるわけじゃないですよねぇ?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

そう。
相手方が契約の履行に着手した後は、手付による解除はできなくなるの。
たとえば売主が引渡しの準備を始めたら、買主はもう手付放棄では解除できないわ。

高梨 ひまり(びっくり) 高梨 ひまり

『相手が』着手したかどうか、なんだね。
自分が着手してても、相手がまだなら解除できるの?

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

その通り!
自分が着手していても、相手方がまだ履行に着手していなければ、手付解除はできるのよ。
ここはよく出るから注意ね。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

なお、手付解除では損害賠償は発生しません。
放棄・倍返しがそのまま清算になるからです。
宅建業者が売主の場合は、手付の額は代金の2割まで、という8種制限も別途あります。

星野 ひな(笑顔) 星野 ひな

手付は『解約のためのお金』って考えると分かりやすいですねぇ。

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

いい理解。
売買では他に、危険負担や契約不適合責任も大事だから次で見ましょうね。

確認クイズ

解約手付に関する説明として正しいものはどれか。

  1. 買主が手付解除するには、手付の倍額を提供しなければならない
  2. 相手方が履行に着手した後でも、いつでも手付解除できる
  3. 自分が履行に着手していても、相手方が未着手なら手付解除できる
  4. 手付解除をした場合、別途損害賠償も請求できる
こたえを見る

正解: 3. 自分が履行に着手していても、相手方が未着手なら手付解除できる

相手方が未着手なら、自分が着手していても手付解除できるのが正解。買主は手付放棄で解除(倍額は売主)(選択肢1は誤り)。相手方の履行着手後は解除不可(選択肢2は誤り)。手付解除に損害賠償は生じない(選択肢4は誤り)。

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