不動産取引の中心は売買契約です。契約成立のしくみと、契約時に交付される手付の性質を押さえましょう。
先生、不動産を買うときに払う『手付』って、頭金とは違うの?
違うのよ。手付は契約のときに交付する金銭で、特約がなければ『解約手付』と推定されるの。
解約手付では、買主は手付を放棄すれば、売主は手付の倍額を現実に提供すれば、契約を解除できます。
でも、いつまでも解除できるわけじゃないですよねぇ?
そう。
相手方が契約の履行に着手した後は、手付による解除はできなくなるの。
たとえば売主が引渡しの準備を始めたら、買主はもう手付放棄では解除できないわ。
『相手が』着手したかどうか、なんだね。
自分が着手してても、相手がまだなら解除できるの?
その通り!
自分が着手していても、相手方がまだ履行に着手していなければ、手付解除はできるのよ。
ここはよく出るから注意ね。
なお、手付解除では損害賠償は発生しません。
放棄・倍返しがそのまま清算になるからです。
宅建業者が売主の場合は、手付の額は代金の2割まで、という8種制限も別途あります。
手付は『解約のためのお金』って考えると分かりやすいですねぇ。
いい理解。
売買では他に、危険負担や契約不適合責任も大事だから次で見ましょうね。
確認クイズ
解約手付に関する説明として正しいものはどれか。
- 買主が手付解除するには、手付の倍額を提供しなければならない
- 相手方が履行に着手した後でも、いつでも手付解除できる
- 自分が履行に着手していても、相手方が未着手なら手付解除できる
- 手付解除をした場合、別途損害賠償も請求できる
こたえを見る
正解: 3. 自分が履行に着手していても、相手方が未着手なら手付解除できる
相手方が未着手なら、自分が着手していても手付解除できるのが正解。買主は手付放棄で解除(倍額は売主)(選択肢1は誤り)。相手方の履行着手後は解除不可(選択肢2は誤り)。手付解除に損害賠償は生じない(選択肢4は誤り)。